皆さまこんにちは、鎌倉市大船の英語教室、「ユリシーズ英語・英会話」より、英会話学習に役立つ情報をお伝えしています。
今回は英単語の意味に着目してみました。
ひとつの単語でも、複数の異なる意味を持ったものがありますね。
そのような単語の中から、いくつか興味深いものをご紹介します。
たくさんの意味を持つ英単語の覚え方についてもお伝えします。
まずは手始めに二つ紹介
bill
billは男性のファーストネーム(「姓名」の「名」の方)で、William(ウィリアム)の愛称で使うことが多いです。
一方、billは「請求書」という意味もあります。
固有名詞と普通名詞のスペルが同じというパターンの典型例です。
しかし、名前を表す固有名詞の場合、頭文字を大文字にしてBillと記すのが一般的ですし、状況から捉えればどちらか分からないということはまずないと思います。
point
日本語としても広く普及しているpoint(ポイント)は、名詞の用法だけでも「要点」「小数点」「地点」「得点」「先端」など、さまざまな意味で使われます。
日本語では「ポイントを押さえた説明」など「要点」の意味で使ったり、「ポイントを稼ぐ」のように「得点」の意味で使ったりするのが一般的ですね。
英語だと例えば、I missed the point of the argument. 「論議の要点を聞きのがした」(要点)、3.5(three point five、小数点)、a meeting point「集合地点」(地点)、the point of a needle「針の先」(先端)、のように使います。
pointは私たちに比較的馴染みがあるからまだいいですが、初めて知る単語でこんなにいろいろな使われ方をするものがあると、覚えるのが大変ですね。
そんなときはどうしたら良いのでしょうか?
そんなときは、英単語の「コア・ミーニング」を押さえると、その単語の理解がしやすくなります。
英単語の「コア・ミーニング(核になる意味)」を理解しよう
辞書で単語を調べると、上記のpointのように、たくさんの意味が載っていることが多いですよね。
たくさんありすぎて、どれを覚えたらよいか、分からなくなってしまいます。
でも実は、英単語にはもとからたくさんの意味があるわけではないのです。
ひとつの基本となる、いわばその英単語の「核」とも言える意味(コア・ミーニング)があり、それがその本質的な意味に沿ってさまざまな文脈で使われることにより、結果的にいろいろな日本語の意味が展開されてくるのです。
ですから、その「コア・ミーニング」を無意識に理解している英語のネイティブは、「今、自分はこの単語をこの意味で使っていてる」のようにいちいち意識はしていないはずです。
私たち日本人も、英単語の「コア・ミーニング」を理解するようにしましょう。
そうすれば、ネイティブと同じような感覚で、ひとつの単語がさまざまな文脈で違った意味で使われることに違和感を持たなくなるはずです。
その例として、【cool】【free】の二つを見ていきましょう。
cool
「クール宅急便」や「クールビズ」など、point同様日本語として浸透しているcool(クール)ですが、英語ではいろいろな文脈でさまざまな使われ方がされます。
この単語の「コア・ミーニング」は、「涼しい、ほどよく冷たい」「熱くなっておらず、落ち着いていて、冷静である」というようなものです。
これが分かると、いろいろな文脈で別々の意味を持つcoolの使われ方が理解できるようになります。
まず、お天気についてIt’s cool today.と言えば「今日は涼しいね」ですね。
これは基本です。
次に、Stay cool!と言えば、「落ち着いていなさい!」となります。
日本語でも落ち着いている精神状態を「冷静」というように「冷」の字を使って表現したり、熱くなっている人に対して「頭を冷やせ」などと言ったりしますが、英語でも同じ感覚なんですね。
また、俗語として「かっこいい」の意味で使われるのは有名です。
He’s a cool guy.と言えば、「彼はかっこいいやつだよ」となります。
暑苦しくなく、スマートで涼しげな格好良さです。
さらに面白い使われ方として、「問題なし」というのもあります。
I’m cool with that.と言えば、「それで問題ないよ」という意味になります。
自分はそのことについて熱くなっておらず、冷静で落ち着いていて問題ない、という感じですね。
「いいよ」と同意を表すcoolも「問題なし」と同じ感覚だと思います。
Why don’t we go cherry-blossom viewing this weekend?「週末、お花見に行かない?」Cool.「いいよ」のように使います。
いかがですか?分かってきましたか?
次は【free】で見てみましょう。
free
これもまた日本語でよく使われるfreeですが、この単語の「コア・ミーニング」は、「なにものにも縛られていない」です。
そこから、社会や慣習に縛られていなければ「自由に」、時間に縛られていなければ「暇な」「予定が空いている」、お金に縛られていなければ「無料の」などの意味が生まれます。
I’m free.と言えば、文脈によって「私は自由だ!」、「暇だよ、予定空いてるよ」などの意味になり、This service is free.と言えば「このサービスは無料です」となります。
もうひとつの使われ方として、「○○抜き」があります。
例えば脂質抜きのヨーグルトをfat-free yogurtと言います。
「○○free」で「〇〇」に縛られない、つまり「〇〇抜き」ということになるわけです。
複数形がおもしろい単語
次は、複数形になると意味が変わってくる、興味深い単語をいくつかご紹介します。
英語では単数形と複数形の使い分けが厳密になされますが、複数形になるともとの単数形と意味が違ってくる単語もあります。
例えば以下のような単語です。
good
形容詞good(良い)を複数形にすると、goods(グッズ、品物)を表す名詞なります。
glass
glass(ガラス、コップ)は複数形にするとglasses(眼鏡)になります。
メガネは二つのレンズで構成されているから複数形になるのです。
ちなみにtwo glassesだと「二つのコップ、コップ二杯」という意味にも「二つのメガネ」(正確にはtwo pairs of glasses)という意味にもなります。
この場合はたいていその状況から判断できるので問題ありません。
コップの話が、急に眼鏡の話に飛んだりはしませんからね。
mean
動詞のmean(意味する)は複数形にするとmeansとなり、「手段」「方法」を意味する名詞になります。
例えばa means to an endで、「終わりまでの手段」「目的達成までの手段」という意味にとなります。
ここで注意が必要なのは、meansは形の上で複数のsがついていますが実際は複数ではなく、「一つの手段」ならばa meansと、aを付けるという点です。
複数形のsと単数名詞に付くaが一緒になっているところが面白いですね。
meansは複数形もmeansで(meansesとはならない)、「すべての手段」ならばall meansとなります。
manner
日本語でもよく使うmanner(マナー)は、「コア・ミーニング」が「物事を取り扱う方法、態度」といったもので、He did it in this manner.と言えば「彼はこの方法でそれをした」という意味になります。
日本語の「マナー」にするには、mannersと複数形でなければなりません。
Remember your manners.と親が子どもに言えば、「お行儀よくしなさい」という意味になります。
いかがでしたか?
このように、ひとつの単語でもいろいろな文脈で異なる意味で使われることが英語ではよくありますし、単数形と複数形とで意味が異なってくるものもあります。
「面倒だな」と感じることもあるかと思いますが、英語も人間が作った言葉なので、非論理的で一筋縄ではいかないのですね。
むしろ、「へぇー、こんな使われ方もするのか」「それはこの単語がこういう性格を持っているからなのか」と、興味を持って接してみてはいかがでしょうか。
そんな気持ちで少しずつ、一つひとつ覚えるうちに、必ず英語がもっと面白く、身近に感じられるようになるはずです。